暗号解読 上巻 (1) (新潮文庫 シ 37-2)
サイモン・シン
暗号の進化史を、技術面と歴史的エピソードを交えて描いた、
最高に知的興奮にあふれた傑作ノンフィクションです。
下手な推理小説より、断然おもしろい!
上巻は、「暗号」と言われたときに思い浮かべそうな
密書、軍事通信などに使われた暗号について
歴史上のエピソードと絡めて、語られています。
暗号作成者と暗号解読者の攻防はさながら映画のストーリーのよう。
下巻では、ヒエログリフや線文字Bなどの古代文字の解読と
私たちもネットでお世話になっている暗号技術、
そして未来の量子暗号までが、
その発見や開発時の興奮そのままに描き出されています。
この本のなんといってもスゴイところは
それぞれの暗号の仕組みが、上っ面の説明ではなく
しっかり解説されているところ。
かといって、数式や難しい説明でお茶を濁すわけでなく
文系な人でもちゃんと理解できるように説明されています。
そのおかげで、その暗号や、その暗号を解読することのすごさが
「なんかスゴイんだな」程度の感覚ではなく、
非常にリアルに感じられるのです。
何度「おおっ!」とか「なるほど!」とか叫びそうになったことか。
とにかく、驚きの連続です。
残念だったのは、文庫が上下巻なのですが
補遺がすべて下巻に収録されていたこと。
上巻に関連している補遺が、下巻が手元にないとすぐに確認できないのです。。
文庫って、普通上下巻常に持ち歩いたりしないと思うので
ぜひ、上巻の補遺は上巻に収録して欲しかったですね